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生化学を勉強していてアテニュエーションという言葉がでてくる。
・・・しかしよく分からない。


検索をしてみるとOKWaveでこんなやりとりがなされている。

トリプトファン合成におけるアテニュエーションに関して質問したいのですが、
トリプトファンが少ないときに、タンパク質合成が遅くなってリボソームがトリプトファンコドンで止まる理由を教えてください。


大腸菌のトリプトファン合成酵素遺伝子の転写と翻訳の話ですよね?
もしそうなら、トリプトファン合成酵素遺伝子のattenuationの話はStryerの生化学に詳しく説明されています。いちいち書くの大変なんでそれを読んでください。
 トリプトファンコドンで止まるとこだけなら、”トリプトファンが結合したtRNAが欠乏するためトリプトファンのところで止まる”とあります。



ストライヤーを読んで下さいって・・・。
ストライヤー読んで分からなかったから検索したのに。

他のページをみてみてもいまいちしっくりとくる説明がない。
こういうときにはインターネットって使えないなーと思う。


しかたがないからストライヤーと向き合って日本語の意味を解読する作業をはじめた。

結果、アテニュエーションとは以下のようなことだろうという理解にたどりついた。

アテニュエーションとはmRNAが様々な立体構造をとることを利用した調節のこと。これを利用するものにトリプトファンの生合成酵素をコードするものがある。これは、開始コドンよりも上流にあるリーダー配列を用いる。トリプトファンが十分に存在するときにはリーダー配列がうまく翻訳されるが、そのときにはmRNAに終結因子として働くループ構造ができて転写が止まってしまう。一方トリプトファン濃度が低い場合にはリボソームへのTrp-tRNAの結合にも時間がかかるため転写が遅く、リボソームの進行も遅い。そのためmRNAの立体構造の形成にも影響がでて、mRNAは先とは別の形状をとり、転写を継続することができる。すると遅いながらもすすんでいくリボソームはそこにコードされるタンパク質も翻訳し、トリプトファン合成酵素を合成することができる。


この内容は31章の最後にかいてあるのだが、このことをよりよく理解するには29章のmRNAの転写の終了の部分についてもしっかりと理解しておく必要があるようだった。

そこには、次にようなことが書いてある。

リボフラビンモノヌクレオチドFMNが高濃度で存在するとき、FMNはRNAと結合しmRNAを転写が途中終結しやすいループをもった構造で固定ため、きちんと機能するmRNAが作られない。しかしFMNの濃度が低いときは完全長のmRNAが転写される。RNAは単なる直線ではなく、転写されながらも立体構造をとっているためにこのようなことが可能になるのである。


転写終了には、ρタンパク質と名付けられた因子が関係することもある。ρはRNA中のグアニンの多い構造に結合し新生RNAをたどっていく。DNA-RNAハイブリッドの位置まで追いつくとヘリカーゼとして機能し、ハイブリッドを解離させる。


アテニュエーションでは、この2つの機構に似たものが同時に起こっているのだろう。つまりリボソームがρタンパク質の役割を果たし、さらにリボソームはその位置によりFMNの役割も果たすと。

なるほど。
すっきりした。
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Thoughts on スポンサーサイトアテニュエーション

says...

Date:2014/08/08 21:33

お久しぶりです、こんなことまで勉強してるんだなあと、驚きました。
転写減衰について、大枠の認識としてはそういう感じですが、細かくは異なっているような気もするので、少し書き込みます。専攻が分子生物学なので。

基本的には、stem-loop構造と呼ばれるようなRNAの二次構造を作ることによって、転写が終わるようになる。これはその通りです。
ただし、恐らくですがrho-independentな転写終結だと思います。詳細は省きますが、stem-loopの後にUUUUUという配列が続く構造になります。DNA-RNAハイブリッドまで追いつくと、AUの化学結合が弱いことから結合が外れていく、というイメージかと思います。
というのがたぶんより正確です。

また、大腸菌のTrp合成酵素遺伝子に関しての正確なモデルとしては、以下の様なイメージです。
trpEDCBA遺伝子には、直前に以下の様な配列があります。この領域は一続きに転写されます。

----->>>--<<<------>>>>>>---<<<<<<------------|trpEDCBA|

----- :塩基配列
>>>>---<<<<< :ここでは特に2次構造、stem-loopを形成できると思って下さい。GCGC ATA CGCGみたいな感じで。GC pairのstemとATAがloop。

ここで、一つ目の>>>--<<<というstem-loopを組める場所は、実はtrpLという遺伝子の中にあり、その塩基配列はTrpをコードしています。つまりこの部分は翻訳にトリプトファンを必要とします。なので、細胞中にTrpがあれば、ribosomeはすぐTrpがチャージされたtRNAを活用出来るので、ここで止まることなく、サクサクと進行していきます。つまり、ここでは2次構造をとらせないんですね。そうすると、その先の>>>>>>---<<<<<<というstem-loopが形成されて、ここでrho-independentなterminationが起こる。ゆえにtrpEDCBAまで転写が続かないんですね。

一方で、細胞中でTrpが減ると、ribosomeはTrpがないので合成ができず、一つ目の>>>--<<<の部分でstallしてしまいます。そして、ribosomeが止まることによって、ここの部分で2次構造が形成されてしまいます。こうなると、逆に二つ目の>>>>---<<<<のstem-loopが形成されなくなるため(おそらくmRNA全体の安定度の問題で)、速度は遅いながらも、trpEDCBAまで転写が進むこととなります。

うーん、という感じなんですが、ここまで書いていて、ちょっとやっぱり説明は無理だなって思いました。
どうしても図が必要ですね。

この例ではribosomeとの相互作用ですが、他にも小分子やpriteinのinteractionによって2次構造が変化するなど、いろいろな転写減衰のメカニズムがあるそうです。

↓以下のReview論文の図を参照されたいです
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/bies.10125/abstract



ここまで書いといて何ですが、こんな細かい話は、正直生命全体から見るとかなりマイナーでマニアックな部分の話だな、という感じなので、知らなくても問題無いし、ネットにも情報が少ないのだと思いますね。転写減衰よりも、転写因子での制御が最も普遍的で、かつそれだけでも十分に遺伝子の制御は可能で、説明されうるので。

つらつらと、失礼しました。

says...

Date:2014/09/03 12:42

まぎさん
お久しぶりです。
今は分子生物学を専攻されているのですね・・・!
わざわざご説明いただいありがとうございました。

ヘリカーゼ活性というよりも、Uリッチな配列の影響のほうが強い、ということですね?
なるほど。
やはり専門の方はお詳しい・・・


実は僕もこんな細かいことはどうでもいいかなーと思いながらストライヤーを読んでいたのではあります(笑)
しかしまあ知識欲と、それから今は神経科学の研究室にお世話になっている身分で、神経科学ってのは思いも寄らないところが関係してきたりする分野でもあるので、まあ学校で使う教科書ぐらいは一度しっかり読んでおこうかなーと思っている次第です。
ほんとうはネットワーク理論とかそのあたりのほうが関心は強いのですが、しかしまあ学校で習う教科ぐらいは・・・、と。

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