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日本人は最近ナショナリズムを強めてきているが、一部には方向性に賛同できないものもいる。「誇り高き日本」を叫ぶならば誇り高き日本の姿を踏まえているべきだと思うのだが、なぜかその「誇り」が対戦期の傾きつつある精神構造に立脚しているように思えてならない。「誇り」を語るのであれば、傾いた精神でなくそのまえの健全な精神を踏まえてほしいと思う。「日本精神の原点」ともいうべき時代を学ぶべきなのだ。
「もののあはれ」と表現されるようなしみじみとした趣のある平安・鎌倉時代の感じ方も個人的には大好きだ。しかしそれは今多くの人が求めるものとは趣向が違うようにも思う。江戸時代も太平の世であるだけに多くの人がもとめているような記述はあまりない。求められているのはもっと勇壮感あふれる剛健な気質、改革の意欲にみちた独立自尊の精神のようなものではないか。とすれば、やはり日本が国家としてのアイデンティティを確立した時期、つまり開化期にこそ、現代日本人の求める日本人像があるのではないか。
ただし、日本人は開化することに夢中で、自己の客観的な記述を怠りがちだった。また先進文明を受け入れようとするもの特有の自文化の自己否定の感が書物に漂っていることも否めない。そのため、現代の開化した日本人に最適な視座としては当時の開かれた人々の視点なのだとおもう。
幸いにして、開講後の江戸・明治期の日本には多くの外国人が日本を訪れ、それぞれの完成で命名の日本人像を著し、残してくれた。そこには「古き良き日本」というい言葉に良くあらわされる、孤高にして高潔なる日本精神が存在しているように思う。自国の優位さを傲るのではない。卑下するのでもない。自信をもった屹然とした姿があるのだ。
今の自分の行いをつい恥じてしまうような過去における誇り高き日本人の有り様を、知っておきたい。


さて、では具体的にどんな本があるかを紹介していきたいのだが、そのために最適なブックガイドがすでに存在するので参考にしてもらいたい。

外国人が見た古き良き日本 (講談社バイリンガル・ブックス)外国人が見た古き良き日本 (講談社バイリンガル・ブックス)
(2008/01/17)
内藤 誠

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ここにあげられた本をすべて読んでいるわけではないが、数冊読んだところではこの本での抜粋は全体の雰囲気を損なわないように十分配慮されているように思えた。また、各作者の経歴のまとめや作品の概説なども丁寧に書かれていて大いに参考になるとともに、偏見などは極力排されていると感じられた。良心的な一冊だ思った。
ただ難点は抜粋であるところで、これは仕方がないのではあるが、抜き取られた数ページの文章だけではどうしても伝えきれない部分もある。従って「これ一冊で」という訳にはいかず、どうしてもブックガイドになってしまう。それでもブックガイドとしては極めて良書だと思うことにはかわりない。

この本で取り上げられているのは、次の本である。

* マクドナルド日本回想記 補訂版―インディアンの見た幕末の日本
* 日本滞在記
* 大君の都 上―幕末日本滞在記
* 幕末日本探訪記―江戸と北京
* シュリーマン旅行記清国・日本 :トロイヤ遺跡を見つけたあのシュリーマンの著作。
* 一外交官の見た明治維新
* 英国外交官の見た幕末維新―リーズデイル卿回想録
* ロングフェロー日本滞在記―明治初年、アメリカ青年の見たニッポン
* ヤング・ジャパン―横浜と江戸 : 著者は快楽亭ブラックの父
* 日本その日その日 : 大森貝塚を発見したモースの著作。
* 日本奥地紀行 : 東北から北海道のそれまで外国人に「未開」であった地方をまわる。日本人は暮らしは貧しいが美しいと。
* キプリングの日本発見
* シドモア日本紀行―明治の人力車ツアー
* 日本アルプス―登山と探検
* 心―日本の内面生活の暗示と影響 : 小泉八雲で知られるラフカディオ・ハーン。文筆家の作品はまた違う。
* 英国人写真家の見た明治日本―この世の楽園・日本
* 明治日本見聞録―英国家庭教師婦人の回想 : 島津家の家庭教師をした女性の回顧録。

他にゴードンスミス「ニッポン仰天日記」、ハワイのカラカウア王をめぐる記述、勝海舟ゆかりの「クララの明治日記」などを含む膨大な文章は割愛せざるを得なかったというので、それらにも注目したい。

基本的に旅行記という側面が強いこれらの本は、単純に旅行記として読んでも面白い。ただそれにとどまらず、書かれている対象が我々日本人なのであるから別の読み方もできる。つまり、作者に重ねて旅行記としても読めるし、現地人に重ねて日本人を味わうこともできる。
また過去の日本についてのいろいろな事実を集めるのもおもしろい。これがなかなかのもので、日本人でも知らなかったようなことが随所にでてきて、時には考えさせられ、時には吹き出してしまい、という具合になる。
一冊で三度おもしろいとでもいうか、そういうものだ。

すくなくとも日本人である限り、読んで損は感じないだろう。


「美しい日本」が取り戻せたらいいと、切にそう思います。
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